ブログ引越し「善人ほど悪い奴はいない」;2014年4月22日

善人ほど悪い奴はいない」;2014年4月22日

先日、図書館で手にした書「善人ほど悪い奴はいない」、中島義道著。
ニーチェがどんなことを書いたのか、普段の愚ータラ生活に、多少役立つかもしれないと下心を持ってJR車内で読み出す。
 
断定的でスッパリ言い切る文章に、多少戸惑いながら、その鋭く判りやすい指摘に感心する。まだ一部しか読んでいないが、途中で忘れない様にとメモを取る。
 
まず、「善人」の定義とは何か。
>> 弱者であるゆえに、自分は「善良であると思い込んでいる」人のこと
 
裏タイトルにある六つの指摘、これを見るだけで何となく輪郭が浮かんでくる。
▲善人は自分の弱さを正当化する
▲善人はすぐ弱い者いじめをする
▲善人は群れをなして権力を握る
▲善人は自分と異質なものを排除する
▲善人は同情されたいから同情する
▲公認の被差別者は善人になりえない
 
ニーチェは人間の愚かさと残酷さをよく見ている。
も指摘するように、自分の心に「弱者たる善人」が住んでいないかの確認も必要だろう。
 
本書では、多くの例をあげている。
ヒトラー率いるナチスがしたことは何か。
敗戦と過剰な戦後補償を強要され、精神的にも打ちのめされた人々に
「アーリア人優秀説」を掲げて、大衆にもわかりやすい希望と目的を示した。
大衆イコール「弱者」の心理を熟知した政策が、結果的には無謀ともいへる二度目の大戦へと発展していく。
 
私が、ポイントと思われる本書の指摘は次の通り;
弱者は「権力と権威」を愛する。
弱者は「加害者」である。
 
この「加害者」たりうること、これが大きな骨子にだろうと(今のところ)結論している。
そして最後の章の「善人はルサンマルチ(恨み)を抱く」
ここは、じっくり、ボケかけた頭に染み込むように読んでみたい。

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