吉本隆明『「蟹工船」と新貧困社会』を読む

金曜日、娘は夜中にシアトルを発ち、本日15時に成田に着く。
いつものように5時起床、新聞片手に森下公園前を通りオフィスに着く。
文春7月号に掲載されている吉本隆明『「蟹工船」と新貧困社会』を読む。吉本氏は、現在を「第二の敗戦」としてとらえ、フリーターやネットカフェ難民が増える社会現象について持論を述べている。
以下、ポイントを抜粋;
「 僕は言葉の本質について、こう考えます。言葉はコミュニケーションの手段や機能ではない。それは枝葉の問題であって、根幹は沈黙だよ、と。 沈黙とは、内心の言葉を主体とし、自己が自己と問答することです。自分が心の中で自分に言葉を発し、問いかけることが、まず根底にあるんです。 (中略) 本質は沈黙にあるということ、そのことを徹底的に考えること。僕が若い人に言えるとしたら、それしかありません。」
私は、次のように考える;マスコミががなりたてる「偽りのコミュニケーション」の本質を、若者は敏感に感じ取っている。いくら努力しても報われないことほど空しいことはない。
成果のみを尊重し、経済効率ばかりが優先され、従来の「和」の社会から「弱肉強食なんでもあり」、つまり従来暗黙に継承された価値観念が「破壊」された社会に対する漠然とした不安が根底にあるからだろう。対策は、自分の発見だろう。人がやってくれるのではない。

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