サヨナラで大逆転勝利

米大リーグは、レッドソックス-レイズのア・リーグ優勝決定シリーズ第5戦が行われた。
松坂大輔投手は先発登板するも、5回途中5安打5失点で降板した。あっち向いてホイっと岡島秀樹投手がきちんと抑えて、7点差をひっくり返し8-7サヨナラで大逆転勝利した。
46歳の若さで急逝した山際淳司氏の「イエロー・サブマリン」を先日読み終えたばかりだ。
舞台は奇しくもボストン、レッドソックス。
高校を出たばかりの下手投げ投手、光が単身渡米し、マイナー・リーグから這い上がってメジャーを目指すというアメリカン・ドリームそのものを、爽やかに描いている。
そのボストン、レッドソックスの買収に画策する父親、幸一も重要なキー・パーソンだ。親子の野球に対する憧れと夢が交錯し、家族の葛藤も人生の機微もさりげなく描写した秀作、折を見てまた開いてみたくなるそんな本だ。
光が、初めてのメジャー・ゲームに登場する日、バラバラだった家族がスタンドに揃う。
「ビッグボーイ」5回に入ると監督が光の肩を叩いた。
「昨日投げたかね?」
「いえ、投げてません」
「OK。それじゃブルペンへ行ってくれ」
大歓声のなか、物語は終わる。

勇気をもらえる言葉を少し引用;
「チャンスはいくらでも、どこにでもあるものだ。あとはそれを自分の手で掴もうとするか、否か。それだけだ。」
「この国(アメリカ)はチャンスをものにした人間たちがつくりあげてきた。どんな人種であれ、努力すれば報われる。」

そして、しびれるような表現豊かな言葉が、随所にちりばめられている。

父親、幸一がホテルで光にメモを残す場面だ;
ホテルの封筒に手持ちの現金を入れ、レター用紙を広げた。何を書き残しておくべきなのか、考えがまとまらなかった。急用ができたことを書くと、ペンの動きが止まった。いいたいことは山ほどあったが、書いたのは一言だった。
今度会うときはキャッチボールをしよう。 幸一

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